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Magic a Load

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ニックはさっき大きな紙に地図を書いた。ディビットはiPhoneで何とかなるだろうと言ったがこれから長い旅になった場合、iPhoneは電波をなかなか発しない場所になるかもしれない。とうだうだニックに言われ結局古い行動に決定したのだった。
女たちは大人しく納得したがこれには男共は議論しあった。
ニックはほっそりした目でまた微笑み周囲に言った。
「さてと、じゃぁ出発しようか。いやぁ、とてもこうなんだ、わくわくするの何年ぶりだろうね。な?ナンシー。」
「え?あ・・・何?・・・・ごめんねお兄ちゃん聞いてなかったわ。」
ナンシーの視線はシンに釘付けだった。ディビットとリチャードがナンシーの恋の相手を知ったら"ありえん"と即答する事だろう。
だがナンシーのシンへの恋心は深いものだった。もちろん、その事は兄の"ニック"も存じている事だ。どうして・・かはまた後ほど解る事だろう。
リチャードの左右脇にはディビットとニックが付いた。シンはバーバラ、ナンシーのお供だ。シンはまた不機嫌な声を上げる。
「ったく、バーバラは強いからナンシーちゃんのお供できるんじゃない?」
「あら、私だって女なのよ。何者かに襲われたらどうするのかしらっ。そーゆうの萌えちゃうけど」
シンは複雑な表情をし顔を横に振った。するとシンの服の袖をくいくいと誰かが引っ張る。
「は?何?ああ・・・・ナンシーちゃん。大丈夫だよ!そんな心配するなって!
3人にもすぐ交流できる!な?絶対だ!!」
シンはお得意のウィンクをナンシーにした。ナンシーは頬をピンク色に染め上目遣いでシンを見た。ナンシーは多分、こーゆう所のシンが大好きなのかと思う。


そして6人は3人の捜索を開始した。

ーーー

リチャードの後を追うと、見慣れた風景が5人の目に映った。シンはあからさまにがっかりした表情をし溜め息をついた。
「リー、君にこんな事を言う時が来たなんて思わなかったけど、、、」
「何だよ。もったいぶらないで言えよな。」
シンは頭をかき眉を吊り上げさらに肩を竦めながら申し訳なさそうに言った。
「あのね、君、、向こうの場所へ言って頭でも打ったんじゃない?むしろ変な事させられ・・・・。」
そう言うとシンの口元は微妙ににやついている。それを見逃さなかったのはただ一人、ディビットだけだ。ディビットはそんなシンに苛立ったのかふんっと鼻を鳴らしまた煙草に火をつけた。
リチャードはそんなディビットの隣でシンにむっとした顔を向ける。
「あのな!、、あの日の事をもう忘れているお前だけには言われたくないね!
俺に紫蘇ジュース飲ませた事だって・・・。」
リチャードは言葉に詰ると表情も暗くなった。その日にはまだアンディが居た事を思い出してしまったのだ。そう、紫蘇ジュースの犯人はシンではなくアンディだった。いくらリチャードとアンディが仲が悪いとは言え、あの日以来から姿を現さなくなったアンディは自分のせいでもあるとリチャードは思い込んでしまってる。
リチャードは顔を下に俯かせ涙を堪え言葉を続けた。
「此処なんだ、あの日、俺とサラが此処の穴に連れ込まれたのは。」
シンはしゃがみ込み真っ黒い深い洞穴を顔を突っ込み覗き込む。ディビットはそんなシンを落としてみたいと思ったが運良くシンはすぐに覗き込んでいた顔を上に戻した。
「何もなさそうだけど?」
ディビットはシンに言葉を放り投げるように言った。
「ばーか、お前な、こんな深いんだぜ?今は真っ暗で何も見えないかもしれないけど
昼間は見えるかもしれねぇじゃん?それに魔物みたいなもんがこの奥底にひっそりと住みついていて昼間人間を食べるかもしれねぇじゃん。」
リチャードはディビットの言葉に体を身震いさせた。自分が何者かも解らない物に宙吊りにされた事も思い出したのだ。
リチャードの顔色が悪くなったのを気づいたのはシンだった。シンは優しい口調でリチャードに言う。
「どうした?・・具合でも悪いのか?」
しかしリチャードはいいや、と声には出さなかったが顔を軽く横に振っただけだった。
その間にニックだけは真剣に洞穴の近くで洞穴をじっくり眺めうむと声を出した。
「俺はリチャードの言っている事を信じるよ。ファンタジーの中では確かにある話だよ。な?ナンシー。」
「・・・・ええ、そうね。洞穴の奥底から真っ黒い手が出てきて人間を引っ張きづり込むっていう話、良くあるもの。・・・私もリーの話は信じるわ。」
シンの影響かナンシーはいつの間にかリチャードをリーと呼んでいた。リチャード自身は少し気にかけたがナンシーと一瞬目が合うがすぐに逸らしシンの裾をくいっと掴んだ。
バーバラが弁解するうように言葉を続ける。
「そうね、私もファンタジーという物には詳しくはないけど、リチャード、サラ、ジェイコブ、アンディがさらわれたんだもの。私もリーの話を信じるわ。
誰かさんだけはまだ信じてはないみたいだけど?」
にこっと嫌味くさい笑いをシンに向けるとシンはむすっとした顔をして言った。
「あー、はいはい、解りました。みんなが信じてるんだろ?まさかのディビットも信じてるもんな、それにお前にリーを取られたくないし。
みなさんの意見にご協力の一票差し上げますよ。・・・・でも、この先どうすんだよ?
まさかとは思いますがこの洞穴にみんなで・・・ひい!!」
「あ?何だよ気持ち悪りぃ!・・・女みたいに俺にひっつくなよ!」
シンはリチャードに思う存分しがみつく。リチャードはシンの顔を見るとシンの顔は面白いぐらい血相が変わっていた。
ディビットは冷たい声でシンに聞く。
「何だよ。気持ち悪い顔しやがって。」
「ひでぇ!もう親友解消するぞ!・・・・というか今、何か冷たいような生ぬるいような感覚が足首に当たったんだけど・・・・・・・。」
シンはそっと奥まで洞穴に顔を覗き込むと誰かに後ろから突っつかれるとシンは悲鳴を上げた。

「うあああああっ、ちょっ。待って、何?何?何?!」
ディビットはこれは本当に不味いと思いシンの腕を引っ張るが相手の力が強すぎるのか次はディビットまで引きずり込まれている。その後に引っ張ったのはニックだったかニックもまた引きずり込まれていく。
それに続き、バーバラ、リチャード、ナンシーが続いた。
リチャードはあの夜に引きずり込まれた感覚とまったく同じ気分をもう一度味わう事になった。
自分は回ってはいないが目がぐるぐると回る。シン以外はみんな同じ気分だったと思う。

その夜、6人は洞穴に何物かに引きずり込まれてしまったのだ。

何物かに6人は洞穴に引きずりこまれた。その洞穴はどこか埃っぽく息苦しい場所だった。6人は真っ黒い岩が積み重なれた上や至り間に挟まれている者もいる。
だがシンはみんなとはぐれていない事が嬉しかった。
とりあえず念の為に確認を取るため、シンは隣に居る人物の頭を強く拳を下ろす。
この相手が女だったら即謝るがそんな事は必要なそうだ。
その声は聞きなれた声だった。
「いってぇ・・・・シン、、てめぇ覚えておけよ・・・。」
頭についた埃を振りい顔を出しシンと目があったのはディビットだった。
作品名:Magic a Load 作家名:悠華