うそつきうさぎ
息を切らせ、辛そうな様子なのに
その声は毅然としていました
「そんな弱った身体で俺に立ち向かおうと言うのか?」
「何があっても、連れて帰ります
その子は、うちの子の大事な友達です」
その言葉に、はいいろうさぎは驚きました
「僕は、ももいろうさぎを死なせてしまったんだよ
悪い事をしたのに、友達だって言ってくれるの?」
「わざとやった訳では無いでしょう?
あの子はあなたの事が好きだったのよ
悪い事もするけど、本当は優しいんだって」
はいいろうさぎは、泣きそうな気持になりました
「何をごちゃごちゃ言ってるんだ
お前も食ってしまうぞ」
そう怒鳴った時に、ももいろうさぎのお母さんの
後ろの方から、村のうさぎ達が大勢やって来ました
みなそれぞれに、戦う為の武器になるものを持っています
蛇に出会った時の事を考えて、戦うつもりだったのです
さすがの蛇も、沢山の武器をもった者達を相手にしては
勝ち目は無いと思って、そそくさと退散して行きました
ももいろうさぎのお母さんは、ふらつきながらも
はいいろうさぎの所にやって来て
はいいろうさぎを抱き締めました
「怖かったでしょう?もう大丈夫」
「ごめんなさい 僕、ももいろうさぎの事が
羨ましかったんだ
みんなに好かれて、かわいくて、優しくて」