うそつきうさぎ
「あなたも本当は優しい子なのよ
ちょっと不器用なだけ
あの子が死んでしまった事は、とても悲しいけれど
崖に近付いたのは、あの子なんだから
あなたのせいなのは、本当だけれど
とっても後悔してるでしょう?
これからは嘘をついたり、悪い事はしないって約束してちょうだい」
はいいろうさぎは、この時初めて涙を流しました
大きな声で泣きながら、ももいろうさぎのお母さんに
しがみつきました
はいいろうさぎの両親もやって来て、三人で抱き合いながら
大声で泣きました
村のリーダーうさぎが、三人に近付きました
「ももいろうさぎのお母さんに言われたんだ
はいいろうさぎのやった事は、もちろん悪いけれど
その家族に嫌がらせをしたり、締め出したりするのは
良くないって
わたしも忘れてたよ 思いやりっていうものを
はいいろうさぎが悔やんでいるのなら
許すべきなんだ
ももいろうさぎのお母さん以外の者が
よってたかって責めるべきでは無かったんだ
怖い事だね
誰かがそういう事をすると、その気持は伝染するんだな
わたしがそれを先頭切ってやってたんだけどね
反省してるよ
引越しなんかしないで、村に住んでおくれ」
その言葉に、はいいろうさぎの両親は
立ち上がって頭を下げました
村に平和な時間が戻りました
はいいろうさぎも、段々と明るくなって
もう、嘘をついたり嫌がらせをするような事もありません
一日に一回は、ももいろうさぎのお母さんの
お見舞いに行きます
そして、ももいろうさぎのお墓に
毎日お花を届けます
それでも時々は、他の子供のうさぎと一緒に
イタズラをする事はあるんですけどね
______________おしまい