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フェル・アルム刻記

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 こののち、ルードとライカはフェル・アルム東方に位置する大陸、エヴェルク大陸へと渡っていく。
 一つの大地しか存在し得なかったフェル・アルム世界では、航海術は発展するはずもなかったが、海を渡るにおいてハーンがレオズス自身の力を行使したものとも思われる。
 そしてなお、二人の旅は続いていく。

 ティアー・ハーンはルード達を見送ったあと、ウェインディルのもとに赴く。宵闇の公子は陰ながらに、フェル・アルムの地を支えていこうというのだ。もっとも奔放な彼のこと、いずれはアリューザ・ガルドの何処かへと旅立つのだろう。

 彼らの物語はひとまず幕を閉じることになる。
 イャオエコの図書館。林立する本棚のいずこかに、この物語は書物となって、ひっそりとたたずむこととなるのだろう。いつの日か、図書館を訪れた誰かによって、ひもとかれるその時までは。
作品名:フェル・アルム刻記 作家名:大気杜弥