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昭和の旧車名車とともに 第一部

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もう一台、初代カローラは高校の同級生の家にあり、卒業間近には昼間良く彼が乗っていましたので何度か運転させて貰ったのですが、軽い、エンジン音が力ない。まあ力ない車でしたが1100ですから仕方ないでしょう。近くの喫茶店で白のカローラを発見するとそれは彼。
一杯210円のコーヒーで暫く粘り、10円を公衆電話に入れアリスの「今はもう誰も」を有線にリクエスト、一箱150円のセブンスターを分けて吸っていました。
少林寺拳法部主将の彼、なかなかの硬派です。あるとき通学列車でのこと、通学中の同窓生が別の高校に通う生徒から「面子切ったの切らないの」と因縁をつけられ、私たちの最寄の駅まで数人でやってきていましたが、それを片つけたのは彼でした。今でも高校生でそういった話はあるのでしょうか。ボンタン履いた柄の悪そうな生徒が駅前に何人かいた光景は異様でしたよ。

初代カローラといえばこの二つは絶対に忘れることの無い思い出です。私は物がない時代だからこそこういった教師の乗っている車一つでも思いでとなり、それに引っ張られて奥深く眠っていた他の思いでもでてくるのですが、今の時代物が溢れそういった些細なことって残っていくのでしょうかね?物が思い出になるってそれ以上のものがないと残らないとすればある意味今の人たちは不幸なのかも知れません。

あいつ元気にしているのだろうか?