八方美人のすすめ 4月 2日 お遍路 追加
それから暫くして、その社員は退職した。
所長が理由を聞くと「上司が信用できません、会社が嫌になりました」だったそうだ。私は上司に呼ばれ「なんでそんなことするんだ、わざと数を誤魔化すような事をして社員が着いてくるか!?」と責められる。そうして私が行って社員が辞めたことの責任で査定は下がりボーナスも下げられた。
途中採用の所員が入り担当者が彼になった、彼素直なやつで私が言ったことをハイハイと聞いてくれた。「いいかい、棚卸しはこうで書類はこう、ミスが合っても、間違いがあってもいい。人間だから間違いはある。あるが何で起きたか、対策はどうすればいいか考えてみろ?分からなかったら聞きに来い」
素直に仕事をしてくれたおかげで・・・棚卸しは30分/人、差異は0になった。
新しく人も入り、また移動で人が変わり部下の考えも少しは変わったろうか。ようやく社内コンテストでもトップを取ることが出来、少なからず小遣いも入った。かといって私も若かった・・・悪さもしたし、やんちゃも言った
いまならもっと人を育てられるかなとも思う。
で上司と話をしていると上司の夢は「一戸建てを建ててマイボートで釣りをすること」と聞かされこんなちっさい人にあれこれ指図され会社勤めしなきゃならないのかと馬鹿馬鹿しくなった。なにも家を建てることが小さいということではないし、家を持つことは大事、一人間として、もっと大きな夢はないのか!?と思ったのだった。
それでもあれだこれだ仕事を言ってくる。
馬鹿らしくなって辞めた
辞めて直ぐ、私は家も建て船も買いクルージングやダイビングも楽しんだ。
確かに今はフリーターではあるが、さあこれからまた一仕事しようと考え出した。
所詮自分ひとり、だれの責任にしても仕方ない。
自分がやって自分が責任を取る、それが大人なんじゃないかと思う。
作品名:八方美人のすすめ 4月 2日 お遍路 追加 作家名:のすひろ