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八方美人のすすめ 4月 2日 お遍路 追加

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棚 卸

当時月末になると棚卸しがあって、毎月棚卸しを行っていた。私の管轄の所は同僚が頭のいいやつということもあって30分/人で終わりその差異も毎月0であった。
初めの頃はそりゃ差異も発生し、問題もあったけど、どうしてなのかな??と対応したので別段驚くようなことでもなく、毎月報告書を出しそれが当然と思っていた。
まだ社内にコンピューターだのマイコンだの言うものはない頃、それでも20数年前の事、ある年転勤の辞令が降りて、四国のある県庁所在地の支店に勤務となった。
今思っても嫌な事ばかりだが、それはさておき、さあ同じく棚卸しとなった。規模は高知もそこもそんなに変わりは無い。担当者が棚卸しって一日やって、出てきた結果は差異は見事に0だけど中身はというと全部誤魔化しだった。上司である私は「なんでそんなに時間が掛かるの??」「なんでこんな結果になるの」と聞いたが返ってきた答えは「いや~~わかりまへん」だった。

それから直ぐに新入社員が入り、今までの担当者はその棚卸しの仕事を新入社員にふった。私は別段誰が担当でも構いはしない、まあ新入社員であればまっさらな状態から教えられるので手っ取り早いかなと思った。
さて、棚卸しだ・・・いいかいあれこれ、どうのこうの・・・やって見せ、やらせた報告書は差異0です。そんな事は無いのは棚を見ればすぐに分かる。
「あのな、なにも新入社員のお前に責任とらそうなんて思ってないから、あるがまま、そのものの数字を書いてくれないか、そうでないとどこが悪いのか、何が問題なのか、その原因が分からないだろう??いいか、そのままの数字を書け」と指示した。
翌月、翌々月・・・やっていることは変わらなかった。このままではこの営業所はいつまでたっても変われないだろう。それでは自分たちが余りに惨め、成績も悪い、原価も高い、スキルも低い でも本人たちは大満足・・・あのな、それでは駄目なのよ。

転勤しやる気もあった私は口で言っても分からないので、実力行使わざと自分の部品の数を誤魔化して提出して、棚卸しの種類が出るのを待った。さあ当日やりました・・・書類出ました・・・差異は0…担当を呼び出し「君は差異は0と書いてある、でもな、俺はここへわざと1個置いていた。にもかかわらず君は差異は無いと書いてある、何でなの??おれは君に責任は取らさん、おれが責任取るから、正直に数字を書けといっただろ」
無言の担当