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八方美人のすすめ 4月 2日 お遍路 追加

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影 響

ある年の事、メーカー主催のコンテストがあり、運よく私は入賞することが出来た。
関東にある工場見学を行い、そこの社員食堂で懇親会というものだった。その頃営業はというと、東京赤坂にある高級ホテルで表彰式のあとパーティーだった。
懇親会が終わり、東京のホテルへ移動したのだったが、その前にアンケートがあったらしい。その時に感想を『営業は高級ホテル、我々は社員食堂とは随分待遇が違うものですね』と書いたようだ。
それから数年後。私たちのセクションで全国コンテストが開かれだし、優勝者は全国表彰&記念品を貰えパーティーが開かれるようになった。私もそれに参加したが、残念ながら2位で、記念品はMADE IN FRANCE のタグが着いたダンヒルの鞄で今でも使っている。
それからまた数年後メーカーから同行したいとの申し入れがあり、本社はそれを受け入れ、係りの人が来て一日同行となった。お客さんのところを廻り、昼休み喫茶店へ入ったときのこと。
「私○○さんと以前会ったことあるんですよ」と私の事を知っていた。
「へえ、どこででしょう?」と聞くと工場見学の時だったそうだ。
「その時、こういった感想を書かれたでしょう」と前述の内容だったことを聞かされた。
そんなこと忘れていた私は「へえ、そんなこと書きましたかね、そう言われればそんな気もするな」としか答えられなかったが「ええ、あの内容は強烈でしてね、なんで俺たちと営業はこんなに差別されるんだと…」

その後その事が引き金となり、私たちのセクションの全国コンテストが開かれるようになったとその時聞かされた。あらま、私の書いた感想が大きなメーカーの主催する全国規模のコンテストのきっかけになったとは不思議なもんだな・・・と思う。

影響力があるとすれば、もっと大きな力を与えてくれればよかったものを、中途半端、小さいから使うに使えないでいる。