心の中の雨の音(詩集)
ぼん
昼寝の途中で声が聞こえる
あちぃあちぃと妻の声
余計に暑くなるから黙ってなよと思う
あぢぃあぢぃと妻の父の声
うわあ妻と同じ言い方
たまらんなぁと思いながらも可笑しい
あ〜〜つぅ〜いぃ〜〜
蚊の鳴くような妻の母の声も聞こえる
妻の父が怒る声
「その蚊の幽霊のような声を出すのをやめろ」
蚊の幽霊を想像して笑みがこぼれる
遠くで妻の声がする
「おはぎが無ぁぃ〜」
ああ おはぎは食べてしまったなぁと
寝たふりをしながら昼寝の続きに入る
あぢぃあじぃあぢぃあじぃ
あ〜〜つぅ〜いぃ〜〜
おはぎぃ〜〜〜
作品名:心の中の雨の音(詩集) 作家名:伊達梁川