心の中の雨の音(詩集)
「詩」というタイトルの詩
友川カズキが歌っている
詩を書いた位では 間に合わない
淋しさが時として 人間にはある
そこを抜け出ようと 思えば思うほど
より深きモノに抱きすくめられるのも
またしかりだ
吉原幸子の詩に書いてある
死にたいと書くことで
死なないですむのなら
詩はクスリみたいな役に立つ
けれど その調子で
生きるために書いてはいけない
愛するかわりに書いてはいけない
オレは思うのだ
夜中に書いたラブレターを詩と思うな
せめて朝に読み返し
書き直したラブレターにしよう
詩は短い小説だ
だから
笑えるものや泣きたいもの
現実的なものと非現実なもの
色々なものがあっていい
詩に順位はつけられない
小学生が書いた詩も 老人が書いた詩も
稚拙な詩も 難解な詩も
衒いがいっぱいの詩も
おそるおそる投稿した詩も
多数に読み飛ばされても
誰かが深く感動するかもしれない
でも 思うのだ
自分の詩が 一番自分にぴったりなこと
出来上がった高揚感で
傑作と勘違いしてしまうこと
だから 時には
なんてつまらない詩を書いたものだと
反省するのも必要だと
作品名:心の中の雨の音(詩集) 作家名:伊達梁川