心の中の雨の音(詩集)
猫のように
雨の音で目が覚めたのか
目が覚めたら雨の音が聞こえたのか
布団の中で雨の音を聞いている
今日は猫のようにずっと寝ていようか
生活音の聞こえる幸せもいいが
こんな雨の日は
誰もいない静かな幸せもいい
雨の音を聞いている
ショパンでも演歌でもない雨の音
布団の中で雨の音を聞いている
今日は詩などを作ってみようか
自動車のタイヤが雨水をはじく音
そしてまた雨の音
こんな雨の日は
想い出す愛しい誰かがいれば
それだけでいい
「生きてなさい それだけでいいよ」
猫がそう言った ということにして
明日を思い煩うことなく
猫のように怠惰にあくびなどもして
作品名:心の中の雨の音(詩集) 作家名:伊達梁川