心の中の雨の音(詩集)
スケッチ
平和平和な都市公園
現在が絶え間なく降り注ぎ
過去を作り出している
池にうごめく思い出づくりが
虚しさを押し隠して嬌声をあげる
木の下では経済が音を鳴らし
空虚と退屈がそれを半呑みする
にわか趣味がうろうろし
自己満足と時間の浪費に安堵する
裸になった芸術が
神も匙を投げる
自問自答をくり返す
退屈と欲望がベンチに坐っている
その隣では
焦燥と妥協が急接近し
期待で不安を消し去ろうとしている
青春が後ろからやって来て
ヤバイヤバイと通り過ぎていった
そして風は
悟りきったようなふりをして
自由が一番だと
孤独の頬を撫でて行く
平和平和な都市公園
未来は投げやりで楽観的だ
作品名:心の中の雨の音(詩集) 作家名:伊達梁川