心の中の雨の音(詩集)
シャイニーストッキングス
あなたとデートだったから
わたしはおめかしをして
勝負のシルクのストッキングをはいたし
ルンルン気分よ
だって私がこのストッキングをはいてると
『おーっ、お前の脚、ヤバイくらいすごいぞ』って
あなたがすごく褒めてくれるから
わたしたちって最高のカップルよね
二人でこうして歩いていると目立つでしょうね
当然恋人同士に見える筈よね?
ね? ちょっと、聞いてるの!
もう、あなたったら むかつくー
どこ見てんのよ!
わたしはすぐわかったわ
派手な格好をして胸も太腿もあらわな
若い娘が向こうから歩いてきたから
あなたはもう わたしのことを忘れて
その娘が通り過ぎたあとを振り返って見てる
今日はわたしの脚を誉めないと思ったら
なによ。あげくにそれ?
どうしてこんなことが出来るの?
あなたという人は、もう! あったまにきたぁ
もうわたしは新しい彼を探すわ
そうよ、いっぱい誉めてくれる彼をね
あんたなんかに見切りをつけて
わたしだけを見ていてくれる
新しい素敵な彼を早く見つけてやるわ
素敵な彼を・・・
作品名:心の中の雨の音(詩集) 作家名:伊達梁川