男性支配
私たちの「西海無農薬やさいの会」は毎月「例会」を開いて消費者と生産者が話し合います。もちろん会員は誰でも出席できます。
ある時、次の例会の日にちを話し合っていて、運営委員がこの日の午後はどうかしら、と提案しました。その日は日曜日でした。出席者の一人が、「その日は夫がいるから、」私は「じゃあ出られますね。」と尋ねた。「いえ、出られないんですよ。」
ほかの人は、ああそうか、という顔をしていました。私一人がわからなくて、「ええと、ご主人がおられるんなら出られるんじゃないですか?」「いえ、ご飯の支度とか。」
瞬間、私は頭に血が上った。
いいたいことはたくさんあった。
「自分の飯も食えないような男となぜ結婚したんですか?」
「専業主婦って、実家から嫁ぎ先に売り渡された性と家事の奴隷なんですか?」
「別に『昔の男とちょっと会ってくる』っていうんじゃないでしょ。やさいの会の例会だよ。みんなで子ども達の未来を守ろう、という話をするんだよ。あなたの夫はそんなことより俺の飯を作れ、っていうの?」
「別に『遅くまで遊んでくるから私の分まで夕食作っておいてね、ちゃんと私が帰るまで食べないで待っているのよ』っていうんじゃなくて、ただ昼ご飯一人で食べて、ってそれだけの事も言えないような関係なの!」
だけどそれは言えない。
彼女が悪いのじゃなく、夫が悪いのだから。
しかも当の男である私に責められたら彼女はどんなに理不尽に思うだろう。
私が女だったら言えたのに。