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つだみつぐ
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novelistID. 35940
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男性支配

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未だにある、というかこの頃はまたはやり出した「男は男らしく、女は女らしく」という一見あたりまえのような主張、その実態はこういう事だ。最終的には暴力に支えられた制度。

役員会で私は「飲むときの女性、あれ、要りませんよ、私ら若い者でやりますから。」と主張し続けた。
私は役員を8年続けた。その最後の頃、酒を飲んだ者は自分達で洗って片付ける、という新しい風習がようやく定着した。男が皿を洗う姿を誰も「男らしくない」とはいわなくなった。

ほどなく「部落婦人会」が自主的に解散した。「婦人同士の交流の組織」というその趣旨は全くのでたらめで、ずっと昔から部落の行事の時の酒食の世話以外いっさいの活動をしてこなかったのだ。役員の一部から、そんなことはゆるさん、と息巻いた意見があったが、大勢はやむを得ない、という意見であった。

「時代は変わる」というがひとりでに変わるはずはないのだ。家庭で地域で職場で、今現在も小さなたたかいが続けられている、その総和で変わっていくのだ。

男と女がまっすぐ向き合える日が来るまで。

作品名:男性支配 作家名:つだみつぐ