あなたお幾つかしら
この「真珠の耳飾の少女」はあまりに有名ですので皆さんよくご存知でしょう、映画にもなったほどです。アカデミー候補に上がったこの映画はイギリスの作品だそうで、なるほどイギリスの映画らしく当時のデルフトの生活やフェルメールの光が上手く表現された作品は私の好きな映画の一つとなっています。
その映画でコリン・ファース演じるヨハネス・フェルメールがスカーレット・ヨハンソン演じる下働きの女性グリートをモデルに絵を描くというストーリー。その絵がこの「真珠の耳飾りの少女」なんですが、この俳優では残念ながら肌が違います。私たちのような湿度が多いところにすむ東洋人と乾燥地域の西洋とでは肌の潤い、肌理が違い圧倒的に日本人の肌がしっとりと綺麗だと思います。予断になりますがこの耳飾は本物の真珠ではなくフェイクだそうで、天然真珠しかなかった当時このような大きな真珠は無かったそうですね。それを知るとちょっとしらける気もいたしますか。
私は娘の会話に釣られるように二人に話しかけます。
「あのね、今だとフィギュアスケートやっているだろ!?」
スポーツ好きな我が家はテレビでは嫁さんの影響もあり良くスポーツを見まして、今だとフィギュアグランプリシリーズなどを観戦するわけです。
「その女子の選手見てごらん、ジュニアから上がってきた選手とコストナーの顔の違い。あの人たち大人びて見えるしメイクも舞台映えするようはっきり描くけど、肌のみずみずしさ、きめの細やかさは隠せん。やはり若い選手は肌が綺麗です。この少女は17世紀、いい化粧品があるわけではないから、この肌をもつ少女としたら10代の女の子にならないかな?? 勿論もっと上の女の子で肌を美しく書くことはあるけど他の肖像がと比較してもナチュラルな肌やし」
ひそひそ話しでそんなことをいうと
「なるほどなぁ・・・そういう見方もあるのか」と少し関心したのか、新しい観点を見つけたのか声を出しました。
そんな会話をしながら正面まで参りますと、フェルメールらしい薄塗りの彼女は思ったより薄いブルーのターバンを巻き少し開いた唇は艶やかで愛らしい。
驚いたようでもなく、呼び止められたようでもなく、それでいて無理にポーズを取って振り向いているようでもないその少女に、私は今でいう映像効果的な感想を持ちました。
つまりこの少女は正面を向いているのですが、誰かが内面に声を掛けた。ですからその感情だけは声を掛けた左側の人、それが恋人なら尚ドラマティックですが、その人と会話をするかのよう。今だとそのシーンが映像として表現できるのですが、この当時にはそれが無い。だからこうして絵画として残ったように感じます。