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「舞台裏の仲間たち」 19~21

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アイラブ桐生Ⅲ・「舞台裏の仲間たち」(20)
  第四章(5)おばあちゃんに誘われて



 碌山こと、彫刻家の荻原守衛によって最後に残された作品、
「女」の像は、相馬黒光をモデルとしたものとと言われています。
黒光は、碌山にとっては不条理を伴った運命の人でした。
彼は30歳で亡くなるまでの絶望的な恋幕の中で、ただひたすらに
自分の気持ちを振り払うかのように、幾多の作品を
作り続けることになります。


 「女」は、手で運べるくらいの大きさの塑像です。
碌山が生涯公表をしなかったと言う事実から見ても、私的な感情が
凝縮された作品であると伝えられてきました。
黒光の夫・相馬愛蔵は仕事で家を空けることが多く、
そんな時には碌山が子供の父親代わりをつとめることも
多かったようです。