Neverending Story
「唯は…、いや、由利は…、君のママは、君のパパといつ出逢ったんだろうか?」
「浩ちゃん、何を聞きたいん?」
「い、いや……」
「もしかして、アタシが浩ちゃんの娘かもしれない、って心配してるん?」
「い、いや……、それは……」
勘の鋭い唯に、高瀬は曖昧な返事しか出来なかった。
「アタシ、歳言ったよね。21だって。ちゃんと計算してみたん?って言っても、こんなふうに騙したみたいになったら、浩ちゃん、信じられないか……。でも、大丈夫よ。アタシは、れっきとしたパパの娘よ」
そう言って、唯が笑った。
いつもの唯の表情に戻ったことに、高瀬は安堵する。
「唯……、君の家族には悪いことをしたね……」
そう言って、高瀬は唯をきつく抱きしめた。
「どうして?」
「どうして、って……」
「ママが浩ちゃんに逢いたかったのは、きっと想い出を整理したかったんからよ。でも、浩ちゃんはなんでここに来たん?何かあったん?」
「実は色々とあってね……。こんな性格だから、自分が悪いんだけどね。でも、由利が亡くなっていたなんて……」
「本当は浩ちゃん、ママに逢いに来たんでしょ?違うの?」
「あぁ……。逢いたかった。逢って、謝りたかった」
唯の手前、そんな言葉を口にした。
けれど、本心は違うところにある。
でももう、それは彼女に伝えることが出来ない。
永遠に―――。
作品名:Neverending Story 作家名:ミホ