疾風の騎士
「自分のペースで食べろよ、喉に詰まるぞ」
「あ、お金払うよ」
「いやいいよ、俺から誘ったわけだし。さて水族館に行くか」
「そうだね」
こうしてついに水族館に行く事にした。ちなみに何故かまた手を繋いでいます。
「ようこそ、浦風水族館へ」
ココは、最近出来たらしく、水族館には、予想以上の人がごった返していた。
まぁ、最近出来て雑誌などでも取り上げられていて海の近くで綺麗な所だしな当たり前か。
蒼牙と箒は、そのまま水族館に入って行った。
『ようこそお出でになられました。チケットを拝見いたします』
俺は、左手でチケットを出した。右手は、勿論はぐれさせない様に箒を繋いでいる。
『では、幻想的な魚の世界に行ってらっしゃい』
ブンブンと手を振られ言われた。これは、仕事でもきついな俺ならやりたくない。
そう思いつつ進んでいく。箒は、何故かだんまりしている。ま、いいか
「お、この魚面白いな」
「うん、そうだね」
おっさんという魚を指さしてみたが受けなかった。そして箒の事を見てある事に気付いた。
「ん、どうしたよ。下何か向いて」
「いや、何でも無いよ」
そう言っているが箒は、だんだん顔が下がって来ている。
(うゎ~結構な時間手繋いでいるから顔、変になってないかな)
「お、凄く広い水槽に来たな。箒も下向いてないで見てみろよ」
「うん」
箒は、顔を上げて見てみた。その水槽には、ジンベイザメやエイなどがゆったり泳いでいた。
「これは、凄いな入口の人が言っていた通りだな」
「ほんと、これは、凄いね」
さっきは、あんな事言ってごめんなさい。反省
「魚ってほんと良い生き物だね。私は、生き物の中で一番好きなんだ」
「へぇー、そうか俺は、魚と言ったら食べるが先に来ていたけど箒が好きなら考えを改めなきゃな」
「え、それって」
「ふ、深く聞くなよ。俺が恥ずかしくなるからよ」
そういい蒼牙の頬が一気に赤くなった。
「そ、そうだ、あと少しでイルカのショーがあるらしいから行こうぜ」
「そうだね、じゃ早く行こうよ」
箒は、俺の手から離れ嬉しそうに走って行った。さっきまで俯いてたのが嘘みたいだな。
(やっぱりあいつは、笑っていた方がいいな)
無意識にそう考えて意味が分かるとポッとまた頬が赤くなる。でもそれが本心だった。
「さて、見失わないように俺も行かなきゃな」
俺は、赤くなった顔を少し冷やすかの様に走った。
「あ、こっちこっち。早く」
「あぁ、今行く」
箒は、俺の分の席も確保していた。さっきとは、全然違うな。
『只今より、イルカのキューちゃんのショーを開始します』
パチパチパチと会場全員が拍手した。会場は満員でイルカのショーは、かなり盛り上がった。
楽しい時間は、すぐ終わるからだろうか。ショーは、意外に早く終わった気がした。
「おぉ、すごく楽しかったな」
「うん、そうだね。イルカがあんなに飛ぶとは、思わなかった」
「でも水族館中全部見たし、これからどうする?まだ2時だし違う所に買い物でも行く?」
「そうだね、何か良い物が在るかも知れないしね」
俺等は、水族館を出て現地に戻る方面の電車に乗った。
現地から言うと2つ駅の先である。そこには、駅前デパートが有り、俺がよく来る所でも在った。
「じゃまず何処行く?」
「う~ん、じゃ洋服見たいな。今日少し時間掛ったから」
「そうか、じゃ行くか」
えっと洋服売り場は、何処だっけ。そしたら『クラウン』が話した。普通の人には聞こえないからな
『8階だぞ』
おぉ『クラウン』ありがとう。とゆうかすっかり忘れてた。ごめん
『クラウン』や『ヴァーチェ』は、出来るだけ蒼牙と箒だけの空間を作り出す為、最低限話さなかった。
「よしエレベーターで行くぞ」
「うん、ここ来た事ないから任せるよ」
俺等は、まずエレベーターまで行き8階に行った。
あれ、そういえば女性用の服屋も8階だったっけ?と考えていたが大丈夫だった。
洋服売り場は、8階に集中して男女ともこのフロアで買える様になっていた。
「どの店に入る?」
「う~ん、お勧めはどの店?」
「いや、俺男だし。気にした事も無かったな」
「ふふっ、冗談だよ。あっ、あの店に入ってみようよ」
そこは、『パッカード』とゆう所であっで外装からして良さそうな服が売ってそうな所であった。
『いらっしゃいませ。何かお探しですか?』
20代前半の女性が話しかけてきた、定員なのでおしゃれに見える。
「この子に合う服を探しに来たんですけど」
はい、少々お待ち下さい。と言い笑顔を振りまいて探しに行った。暫くして
「あ、これなんかどうですか?」
そう行って箒を試着室に連れて行った。
そう俺は、女性服売り場に男子1人残されかなり気まずい。そしたら
「あの子可愛いですね、彼氏さんですか?」
話しかけたのは、さっきの定員だった。
「いいえ、違います。まぁクラスメイトです」
「そうですか、でも何で付き合っても無いのに、友達なのにこんなにしてるのは、何でですか?あの子の事が好きなん
ですか?」
なぜそこまで聞いてくる?この人は杉山先生の使いかと思ったが俺は、正直に答えた。
「そうですね、日が経つ度に好きだとゆう気持ちが強くなっていますね」
「へぇ~、いいですね。私もそうゆう彼氏がほしいですね。いいですねあの子は、今、幸せだと思いますよ」
シャーと試着室のカーテンが開いた。そこには、ミニスカートを着ている箒が居た。
(あ、また、見とれてしまった)
「えっとどうかな、可愛いと思う?」
「いいんじゃないか、俺は好きだぞ」
「蒼牙くんが好きか。えへへっ、じゃこれ買おうかな」
「ありがとうございます、こちらへどうぞ」
と言い箒とさっきの定員は、レジに行った。じゃあ俺も出るかここにいたら何かおかしくなりそうだ。
でも俺の頭は、さっきの定員の言葉が離れなくなってしまった。
「おまたせ、さて次何処行こうか」
「あ、おう、そういえば考えてなかったな。何処に行こう」
「じゃ取り合えず降りてみようか。何か在るかもしれないし」
「そうするか、無かったらそのまま帰れるしな」
俺等は、エスカレーターで取り合えず降りてみた。俺的に面白いものは無かったと思うんだけどな。
5階に下った。すると箒が反応した。
「あ、ちょっとココ見てみたい」
そう言って指さしたのは、アクセサリーショップであった。そこには、色んな種類のアクセサリーがあった。
ここなら俺も普通に居てもおかしくないな。
「うわぁ~すごく綺麗だね」
箒は、今まで見た事無い目でアクセサリーを見ていた。
(なるほど女の子は、こうゆう綺麗なモノに反応するのか)
そうゆう自己解釈が蒼牙の頭の中では、働いていた。
「このネックレス可愛くて凄くいいね」
すると俺の顔を見ると箒は、自分の世界から現実の世界に戻った。
「あ、ごめん。何か私だけ盛り上がってつまらなかったね。ごめん、もう行こっか」
「えっ、買わないのか?」
「うん、さっきのでお金使っちゃって」
「じゃあ買ってあげるよ。どれだっけ?」
「え、駄目だよ。誕生日でもないのにお昼も奢って貰っちゃたのに悪いよ」
「う~ん、じゃ俺たちが出会った事を記念してならいいだろう」
俺は、少し顔をずらし言った。つい口から出ちゃったな。