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疾風の騎士

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第4話 守るべき物

次の日俺等は、また放課後に保健室の先の教室に集められた。
それは、いいんだが集められた時間がもうすぐ2時間目が始まる時間だった。
「何でこんな時間に集められるんだ?普通にバレそうな時間だな」
「さぁな、俺が聞きたい所だよ」
「これ欠課になるんじゃないのか、俺的にそれはヤバいな」
こう俺、涼太、渉が言った。でも確かに何でこんな時間に集められんだ?
俺等は、色んな物がループしている。
箒は、と言うと(プレゼントしたネックレスを見て「えへへっ」て笑う)がループしている。
そんなに気に入ってもらうとこっちも嬉しいな。
「なぁ、蒼牙。箒の奴どうしたんだ?朝からずっとこんな感じだよな?」
「俺が思うにあのネックレスは、大切な人から貰ったんだよ」
「いやあれは、俺がプレゼントしたんだよ」
2人は、すごく驚いていた。その声にマイ・ワールドだった箒も反応した。
「何だよ、お前等出来てたのか」
「道理でいつも一緒に居る訳だ」
『そうだよね、昨日も断ら無かったし。そろそろ付き合っちゃったら?』
うおっ!!先生までと言うかいつから居たんだよ。箒は、やっぱり下向いてだんまりしてるな。
「いやいやまだ会って間もないですから」
「でもお前正直言って箒の事好きだろ」
「そりゃ・・・そうだけどよ」
うわっ、何だこの公開尋問。どんな拷問よりもしんどく感じるぞ
「箒も蒼牙の事好きでしょ」
「・・・・はい」
「はい、じゃ付き合いなさい」
子供の恋愛決めつけるのか、この親は、
「それは、冗談だよ。でも1つ誓ってね。絶対に箒を守ってね」
「はいはい分かりましたよ、それで何で俺たちがこんな時間に集められたんですか」
「ん、今日は、何と君達だけ課外授業です」
「「「「はぁっ」」」」

俺等は課外授業と銘打ってIWSPのある場所に行かされた。これはアリなのかな?
「ココがIWSPで~す」
そこは、辺り一面海と言うか海の上に有る所だから当たり前だった。
「ちなみにココは、地図には無い所(イレイズド)だから日本国軍事長位しか知らないと思うよ」
えっ!?つまりココは、誰にも知られていない所にある最高機密事項に入っている事に成るな。"俺でも知らなかった"
「じゃ中に入りますか」
と俺等が入ろうとしたら警報が鳴り響いた。あれ、今俺等何かしたか?1番怪しいのは渉だな!!
『太平洋沖でブラッティ出現、繰り返す―――』
中では色んな人が走り出していた。どうやらまた戦わなくっちゃいけないようだな。
「じゃ来て行き成りだけど君達が行ってくれる」
「はい」
俺等は、まず現地にヘリで向かった。そこは、何故か一部分だけ凄く荒れていた。
刹那、空気を裂く音と共にエネルギー弾が俺等が乗ったヘリが攻撃され俺等は真っ逆さまに落ちた。
だが下は海なのでそんなダメージは無かった。俺等は、直ぐに神通体を展開した。
「行くぞ『クラウン』」 
「『ヴァーチェ』やるよ」 
「叩きのめすぞ『カイナ』」 
「さっさと終わらせるぞ『インドラ』」 
因みに『カイナ』は、涼太、『インドラ』は、渉の神通体である。
展開するとマントだった所が翼になった。他の奴も翼は無いが物理法則無視して空中に浮いている
そして俺等は一目散に攻撃した所に飛んで行った。相手は、簡単に見つかりただそこに存在していた。
まず涼太の拳が炸裂して俺等の攻撃もかわす事もせず普通に当たった。
だがあまり効いていなかった。しかし攻撃してくる気配がない。
「あいつ何で何にもして来ないんだ」
「でもとにかく攻撃してみよう」
しかし何回やってもビクともしない。
涼太がまたパンチを繰り出そうとした時、相手が急に動き出した。
刹那、物凄いスピードで動き涼太の後ろに回りこみ腕を振るわれ撃ち落とされた。
「涼太!!」
渉が持っているランスで攻撃するが、するりとかわされ相手は勢い良くパンチを出した。
しかし渉の目の前で止まった。と思いきや、腕の中からはエネルギーキャノンが出てきた。
至近距離で体に撃ち込まれ渉も海の中に落ちた。
「これは、かなりヤバいな。よし連携で行くぞ」
俺と箒は、1人では、駄目だと分かり連携して戦うことにした。
蒼牙は、斬撃をくりだすがまたするりとかわされる。その瞬間箒の火粒子砲《ハウンド》の攻撃が炸裂した。
そして俺は、持ってる力全てをこの一撃に込めた。振りかざした一撃は、紛れも無く相手の体に入っていた。
そしてブラッティは、落ちながら消えて行った。『終わった』と思い、箒の方に向いた。
刹那、あのブラッティはまだ生きていて腕を伸ばして箒に狙いを定めている。
「危ない、後ろだ」
ブラッティは、さっきの攻撃を食らって無かったのだ。そして箒にキャノン攻撃をしようとしていた。
俺は箒とブラッティの間に入りこみブラッティの攻撃から守り、直撃して仕舞った。
そして箒も1回目の攻撃は、免れたが次の攻撃を食らってしまって海に落下していた。
俺は、意識朦朧の中必死に箒の方に行き海に落っこちる時の衝撃から守ろうとした。
上空数百メートルから俺等は、一緒に落ちていた。
「おい、だ、だいじょ、うぶ、か?」
「えぇ、大丈夫です」
「へ、それ、ならいい、や。おま、ぇを守る、って言っ、ちまった、からな」
「そ、そんなの守らなくて良いのに!!」
「泣くなよ。俺が、じぶ、んでやっ、た事だからよ」
刹那、あのブラッティがまた攻撃をした。気付き箒にマントを包ませ遠くに行かせた。
『何をしているの!!』
「へ、『クラウン』箒を、守ってやっ、てくれ。俺の大切な、人だから、よ。絶対、だぞ」
『クラウン』の体は、殆どの衝撃を防ぐ事が出来るから守る為にやったのだった。
そして蒼牙は、生身の体でキャノン攻撃を食らった。もう痛みで全身の感覚がおかしかった。
「ぐああああっ」
「蒼牙くん、蒼牙くん・・・蒼牙ーー」
俺は、段々と意識が遠くなっていき、海中に落っこちて水柱をあげた
(好きだったぜ、箒)

ふと気付くと俺は、不思議な扉の前に居た。
「はぁ~、やっぱ俺死んだのか。でも後悔は無いな」
頭をかいていると扉の向こうから声が聞こえた。
『お前は、何の為に生きて来て何のために戦って来たんだ?』
なるほど多分ここは、地獄の閻魔様の所だな。ま、正直に答えよ。俺も安易に使ってたからな。
「それは、仲間を・・いや大切なものを守る為ですかね」
『ほぅ、その大切な物は、何だ』
「それは、仲間です。仲間と言っても今は、箒だったな?生前間際は、箒を守るために戦ってましたから」
少し恥ずかしいがもう死んだ身、思っていることを全部言わなくちゃ成仏も出来無そうだ。
『そうか、今、その大切な物がピンチだぞ。言ってやれ俺・・も力貸すから』
その言葉が最後だった。
気付くと俺は、海水の中に居た。さっきまで傷口にめっちゃ浸みてきた痛みがもう無い。いや、"傷口自体"無かった。
(俺は、まだ生きている。じゃあれは夢か)
『いいや、俺は、存在している。守るんだろ、大切な物を』
「おう大切な物を、あいつを守る!!」
全身が蒼く輝き、刹那の如く速いスピードで海面から浮上した

「うそ、私の性で蒼牙くんが」
作品名:疾風の騎士 作家名:森義文