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移ろいの中で (1月9日 追加)

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2B

そう聞いて鉛筆ではなくおもちゃの花火を連想するのは結構なお年の方だろう。
昭和35,6年頃、爆発もの花火で2B弾という棒状のリトルダイナマイトがあった。当時ガキだったものは2B弾などというハイカラな名前では呼ばす短に「ニービー」と読んだ。
点火すると白い煙が出、やがて黄色に変わるとそろそろやばくなり「バン!!」と爆発する悪ガキどもは肝ためしに着火後それをロシアンルーレットのように回して遊んだり持ったまま爆発させていた。

その花火はその後クラッカーや爆竹になったのだが、それらと大きな違いは着火にある。
爆竹などは火種がいり、それから点火するのに対し、2Bはマッチのごとく先端部をこすれば火をつけることが出来た。下手なものはマッチの箱についている赤い部分を持ってくる。器用なものはそんなものも持たず、滑らかなコンクリートや硬い板でもあると先端部を持ち、さっと擦り火をつけた。ドンくさいのに良いかっこしたい奴はそれを真似るが火がつかず、捨てるか折れて使えなくなってしまう。

さてこの2B、威力はというと牛乳瓶を割るくらいのものだったそうだ。
おまけに水中でも発破することが出来たので私など水路で小魚をこれで捕った・・・
近所に綺麗な水が流れる水路があり、そこにもろこがいた。ただもろこと子供たちは呼んだがもろこかどうかは知らない。針金を一本用意して、2Bを持ち水路へ行く。おもむろに火をつけるとそれを針金の先に付けて、煙が黄色くなると魚が居そうなところへそれをつける。
「ボン」という音と共に黄色い大きな泡が出ると魚が浮いてくる。まるでどこかの島のダイナマイト漁法である。

今思い返せば可愛そうな事をしたと思い、あれだけで私はもう天国へ行くことは出来まいとあきらめる。なにせそんなものを近くの雑貨屋で売っているのだから危なくて仕方ないが、子供は喜んで買う。しかし、着火は簡単、威力は強いとなれば子供が遊ぶと当然怪我も事故も多発したそうな.