移ろいの中で (1月9日 追加)
まっ茶色な絵
とにかく遊び好き、勉強嫌いだったので得意教科は無くすべてが不得意
好きな教科は?と聞かれると音楽と美術だろうか
その美術は思い出がたくさんあり、本人はどこがいのか分からないが、どうゆうわけ何度も展覧会に出品された。
中学の3年のときの話
授業で2日間伽藍がテーマの写生会があった。
同級生はまじめに写生していたが、私と何人かは2日間絵を描かずに遊び呆けていた。
遊ぶといっても何をするわけでもなく書いている同級生のところへ行き、うだうだしゃべる。それを2日間やったわけだ
数日後担任の教師から作品を出しなさいと言われたが
「あ~~~描いていません!」と平然と答えた。
「なに!!」担任は顔色を見る見る変え
「今から描いて、明日出せ!」と烈火のごとしかられた。
その時の担任の顔は今でも覚えている。
仕方なく授業終わった後、画板を持って写生の大会の場所へ行ったが朝までに提出なのであれこれ描く時間は無い。さて何を描こうかと考えていると目に入ったのは五重の塔だった。あれこれ描くよりこれでいやと塔の扉付近を描くことにし鉛筆で写生する。
基壇付近から瓦が少し入る構図で、あとは茶色で塗れば出来上がりと思い描いたのだった。
家へ帰り色を塗りだすと同じ色では塗りたくないのであっちこっち色を変えて塗りまくった!!よせばいいのに一部とはいえ肘木、垂木や瓦まで描いたもので茶色がベースだが色はすべて違えて塗っていく。当然影もあるから違えなければ立体感がでないわけで、ここはこう、こっちはこうと塗って行き扉の横の板には大きな木目が入っていたのでそれも描いた。夕飯を終えテレビも見ずに描き、出来上がったのは午前1時過ぎで翌日登校までに色を塗ってなんとか仕上げ提出したのだ。
それから暫くして郡市の文化祭があり自転車を漕いで15kmほど走り見に行くと
会場の中学校の教室に各学校から選ばれた絵や習字など作品が掲示されていた。
みんな上手いな~~とか思いながらふと見ると・・・
上から二番目になんと!!!!自分の描いたまっ茶色のこの門の絵が飾られているではないか!!!
どうでも良く描いた絵なのに、なんで!????
この文のようにクエッションマークが飛びまくり、なによりこの絵の下に掛けられた自分の名前が恥ずかしかった!!!!帰って母親にそのことを話しすると
「なんであんなまっ茶色の絵が選ばれるん!??」ってバカ笑い!!
作品名:移ろいの中で (1月9日 追加) 作家名:のすひろ