おちていく…
「三日後の0時に、あなたの家の近くにある公園で待ち合わせしましょ?それなら、最後に子供の寝顔くらいは見れるでしょ?奥さんにも気付かれずに、家からも出てこられるし…」
あ…、そうだな…。
矢田は何かを振り払うように、愛子を力一杯抱き締めた。
「愛してる…。良一さん…。ずっと、ずっと一緒だね…。これからも宜しくね…」
「愛してるよ、愛してる、愛子。永遠に愛するよ。永遠に…」
女の幸せ、それは愛されること。
男の幸せ、それは愛すること。
愛を見つけると、周りが見えなくなる。
二人の世界が、そこにあるから。
それだけで良くなってしまう。
これが最後の恋。
これが本物の愛。
そう疑うことなく、人は自分を信じ歩むから。
それが偽物とも知らずに、その先の幸せを思い浮かべる。
永遠に続く幸せな未来を…