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『ツキウサギ』

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●つきうさぎ12『恐竜』


「ねぇ、知ってる?」

「なにをだい?」

「むかーしむかし、恐竜っていうすんごい生き物がいたんだって!」

「あぁ、懐かしいねぇ」

「え、どのくらいすごかったの?」

「どのくらい凄いって言われてもねぇ……」

「この位すごかった?」

「んー、もっとかなぁ。もっと大きく腕を広げてごらん?」

「こーーんな感じ?」

「もっともっと」

「こーーーーーんな感じ?…っわ!?」

「おっと、気を付けてねウサギ君」

「うん。でもこのままひっくり返ってた方がツキ君がよく見えるよ」

「うん、ありがとうウサギ君。それで、恐竜君がどれくらい凄かったか分かった?」

「大体っ。ボクがこーーーーーーんなにしたのよりもっとすごかったんだね」

「そういう事だね」

「ありがとねツキ君っ」

「あ、でも……」

「なぁに?」

「恐竜君はね、簡単に言うとドラゴン君くらいの凄さだよ」

「ツキ君ーっ」

「なんだい?」

「最初からそう言ってよっ」

「うん、ごめん」

「それで、ドラゴン君てどれぐらいすごいんだろ?」



 ―おわり―
作品名:『ツキウサギ』 作家名:ねむうさぎ