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『ツキウサギ』

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●つきうさぎ11『最強の矛、最強の盾』


「ねぇ、ツキ君っ」

「なんだいウサギ君?」

「この間ね、武器屋さんがいたよ」

「うん、それで?」

「それでね、『何でも貫く矛』と『何でも防ぐ盾』を売ってたんだ」

「ああ、例の『矛盾』のお話だね。……こりないなぁ、みんな」

「えっ、ボクのお話の先知ってるのツキ君?」

「だいたいだけどね。それでお客さんが『その矛で盾を突いたらどうなる?』って聞くんだろ?」

「流石ツキ君っ、物知りだね〜」

「それで、今回はどうなったんだい?」

「そ、それがね……」

「な、なんだい。その口調だと嫌な予感しかしないけど……?」

「うん、と。それで武器屋さんとお客さんがね、盾を矛で突いたんだよ。そしたらね、両方壊れちゃったんだ」

「へー、珍しいパターンだね。大体は盾が勝つんだけどなぁ」

「そうなんだー」

「勉強になったねウサギ君。『なんでも貫く』とか『なんでも防ぐ』なんて事はないって事さ」

「それがねツキ君……」

「うん?」

「その矛と盾は不良品だったみたいなんだよ」

「え、そうなのかい」

「うん。武器屋さんが矛と盾を買ったのはタヌキ君からだったみたいだからね」

「タヌキ君……相変わらず、だねぇ」

「本物の『何でも貫く矛』と『なんでも防ぐ盾』の対決、見たかったなぁ」

「えっと、ウサギ君…」

「もうっ、そしたらどうなっちゃうんだろうなぁっ」

「……。うん、スゴイ事が起きると思うよっ」

「ボクもそう思うっ」



 ―おわり―
作品名:『ツキウサギ』 作家名:ねむうさぎ