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2011年のマーブルマッドネス

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3


 もういくらつぎ込んだのかわからないほどプレイする男。
 隣のダライアスは相変わらず盛況だが、マーブルマッドネスを気にする者はいない。連コインし放題である。
《楽しいなあ、楽しいなあ。これって二人きりでデートみたい? って何言ってるんだ私は》
 久しぶりのことでマーブルも多少浮かれているようである。フリルがゆらゆらと揺れている。
 今度のプレイは、少し慣れてきたのか、なんとかBEGINNER RACEもゴール。
 初のステージ3 INTERMEDIATE RACEへ。スタート直後の細い細い通路に、苦戦しながら進んでいく。壁にぶつかり跳ね返され、思うように進めないようだ。
《通路前の坂道で横に逸れれば、通路通らなくても行けるのになあ》
 マーブルは思う。
《……でも、なんでそんなことも知らないのに、私にこだわってるんだろう?》
 通路を抜けると、急な坂道。その坂道の先にはすぐ崖が。
《あぶない!》
と思うと同時に、崖の直前に敵を移動させるマーブル。うまいことビー玉が敵に当たり、ピヨピヨ言っているものの落下は防げた。
《え、あれ、なんで私手助けなんてしてるんだろ。……べ、別に心配なんかしてないんだから! たまたま、そう、たまたま配置的にそうなっただけ!》
 誰かに聞こえるわけでもないが、勝手に言い訳をしているマーブル。
 そんなマーブルの手助けも虚しく、少し進んだところでタイムオーバー。
《まあそうだよね、私が手助けしてもしなくてもそうなるよね。ふふん、まあその程度の腕ではね》
 デモ画面のビー玉が真っ赤に染まっていた。