普通がいい!
お、重い…。
意識が眠りの底から引きずりあげられる。
気怠
けだる
く目を開ける。
すると、すぐそこにサムライさんの顔があった。
近くで見るとまつ毛が長くてきれいな顔だなと思う。
……………………え? なんでサムライさんの顔がこんなに近くにあるの?
すると、両腕が痺れていることに気が付く。
見ると、右にユウ、左に鞍壷が張り付いている。
「え、なんで?」
みんな幸せそうな顔で寝ている。
これは、両手に花? などとのんきなことを考えてるも束
つか
の間。
胸板に何か柔らかいものが………。
「…うん、だと思った」
うん、サムライさん、女だ。
男とか言っているけど、この感触は絶対女だ。
……………て、僕は何冷静に考えてるんだ!?
あ、でも意外と大きいかも……。
…雑念が、消えない?
いやいや……落着け…俺…じゃなくて僕…。
すると、鞍壷が体をよじった。
「くはぁぁっ!?」
とても、気持ち悪い声が出た。
それもそのはず。
…意外と、鞍壷さんの胸は大きかった。
「…り、理性が…」
吹き飛ぶ…!
「いてっ!」
いきなり右脇腹に痛みが走る。
見ると、ユウが、寝てるはずのユウが不機嫌そうに顔をゆがめてる。
………もしかして、起きてる?
「そんなはずないか」
すると、サムライさんが小さな声で何かを呟いた。
「だめです…主、そこは、ダメなんです…」
な、なんの夢見てんのぉぉぉぉぉっっっ!?
すると、左耳に温かさを感じた。
「おいしい…パンの耳…」
な、なめられてるのぉぉぉぉっっっ!?
そこはパンの耳じゃないからぁぁっ! と、思っても声に出なかった。
左耳が下でなぞられる。
「あふっ」
また気持ち悪い声が…。
「ジロー………」
ユウがいきなり手のひらに頬擦りをしてきた。
すべすべした頬が気持ちいい…。
「あああ……」
また気持ち悪い声が出た。
「ふふ……」「くすくす……」「ぷっ……」
……どうやら、僕ははめられたらしい、そう確信し、三人をどけ、キッチンへ向かった。
「「「あっ…」」」
ほら、起きてるでしょ?