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一緒にゲーム作りませんか?

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 翌日からオレ達の戦いが始まった。
 図書室の片隅でオレ達は向かい合わせに座り、つかさちゃんが借りた『ゲームの作り方』とオレが購買で買ったゲーム専用のノートを広げた。
 正直素人のオレ達が何処から始めれば良いのか分からなかったが、『ゲームの作り方』よるとまずジャンルを決めてキャラクターを作り、それに似合ったシナリオを決めるのがベストらしい、
 勿論それは理屈上の話しでどんなゲームが出来るかは自分次第だった。

 そうと決まればまずはジャンルからだった。
 しかしこれは物の5分も掛からずにあっさり決まった。来栖さんにも言ったけど、オレはRPGが大好きだ。つかさちゃんはRPGしかやらないと言う、
 シューティングゲームは敵の攻撃が避けられず、アクションゲームはジャンプが間に合わずに谷に落ち、ボスにたどり着くまでにライフポイントが残り少なくなって敗北したりと得意では無いと言う、確かにそんな感じだ。
 もしやギャルゲーや男に告白される恋愛ゲームはと考えたが想像できなかった。最近はギャルゲーでも女性ユーザーも多いと聴くが、テレビ画面に向ってニヤ付いてる彼女の顔をオレは心の中で描く事が出来なかった。
 苦手な物を無理矢理やらせても面白いゲームが出来る訳が無いので作るジャンルはRPGに決定した。

 次はキャラクターだ。
 ゲームの顔と言う訳でどんなキャラクターにするかを意見を交換し合いノートにまとめた。
 オレ達が作るゲームにはそれほど大勢のキャラクターを出す事ができない、何しろ同人ゲームのような2〜3時間で終わるような短いゲームだからだ。
 倒したモンスターが仲間になったり、様々なタイプのキャラクターをコマンドで入れ替え可能と言うのも魅力的だがそれでは他の作品を真似した事になる、
 よって主人公は4人、勇者と戦士と僧侶と魔道士と言うオーソドックスなパーティーに決めた。

 そして次は1番の難関、シナリオだった。
 オレ達は学校の図書室を回ってギリシャ神話や北欧神話、日本神話などの本をかき集めるとそれを読み漁った。ゲームのシナリオはこう言った伝説をモデルにしていると聞いた事があったからだ。
 文章だけの本などオレは3分も立たないうに眠くなってしまうのだが、洗濯バサミを目蓋に付け、さらに3倍の濃さで砂糖抜きのコーヒーを飲んで頑張った。おかげで授業中居眠りをしてしまい教師から指導を受ける事がシバシバあった。
 ちなみにシナリオはオレが担当する事になった。小学生の頃に読書感想文もまともなのが書けず、何度も再提出を喰らったオレがシナリオなんてハードルが高いと言うのは自分が一番分かってる、
 しかしプログラムが出来ない以上つかさちゃんに押し付ける訳にもいかない、一応シナリオが出来るまで手伝ってもらっている、
 今まで思った事が無かったがクリエーターって凄いと思った。毎回よくあんな話を考えて世に出せる物だと、ゲームをプレイする度に『オレならこう作らない』とか『こうした方が面白いのに』とか思っていた自分が恥ずかしい…… 

 クリエーターの皆さん、生意気言ってすみませんでした。