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一緒にゲーム作りませんか?

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 半年位前、こいつがオレの家に遊びに来た時に『お前RPG得意だろ? やっといてくれ!』と言われてオレは卓のゲームのレベル上げとダンジョン攻略をやらされた。
 この時『オレはお前の弟か!』と言ってやったが卓は聞く耳を持たず、さらには別に持って来た携帯ゲームのギャルゲーをオレのベットの上で胡座かきながらやり始めやがった。
『ま、そう言う訳だから気に入ったんなら過去に販売したのがまだ残ってるからくれてやるよ、勿論タダって訳じゃ無いけどお前なら特別に割安にしておいてやるよ』
「おい、それは別に……」
『それじゃ、また新学期にな!』
 通話は切れた。
 携帯をテーブルの上に置くとオレはため息を零した。分かってはいたけどやっぱり虚しい物だった。
「新学期か……」
 オレはカレンダーを見る、
 そりゃ新学期には会えるだろうが途中でオレは転校するかもしれない、生涯の分かれって訳でも無いし、会おうと思えば会えるけどやっぱり友達とはいつも一緒に居たい。
 正直言うとオレは学校は嫌いではなかった。そりゃ確かにテストや宿題や勉強は嫌いだけど、そこに行ってたのは友達がいたからだ。
「本当に現実もゲームみたいに何度でもやり直せたらなぁ…… んっ?」
 何度でも? 
 オレの脳裏にさっきの卓との会話が浮かび上がった。
「そう言えば言ってたな…… そうだ!」
 オレは2階に上がると1冊のノートを手に取った。
 それはつかさちゃんとネット喫茶に行った時に使っていた奴である、オレはそのノートを開いてみた。
「やっぱりそうだ。これは使える!」
 オレはノートを持ってリビングに戻ってシャーペンを手に取ると一気にノートに走らせた。
「書ける書ける! このまま一気に終わらせる!」
 アイデアなんてきっかけがあればどうとでもなる、途中右手が痛くなったけれどもそんなの関係ない、
 これはオレ達3人が一緒に手を繋いだ証だ。途中休憩を挟んで時計が昼の4時を回った時だった。
「できた!」
 オレの手から落ちたシャーペンがノートに転がるとオレは大きく息を吸いながらソファーに背を持たれて息を吐いた。
「やればできるな、オレ……」
 ついに最後までやり終えた。
 ゲーム作りを始めておよそ3月、ついに1本のゲームのシナリオを完成させた。
「勇!」
 玄関の方から声がするとそれは香奈だった。リビングの扉が開くと買い物袋をぶら下げて入ってきた。
「勇、どうしたの?」
 香奈は今のオレのだらけた姿が気になったんだろう、
「お前こそ早いな、もう終わったのか?」
 オレは体制を直して尋ねる。
「今日はね…… それより話はどうなったの?」
「ほら」
 オレは鼻で笑いながらノートを手にとって香奈に見せた。香奈は買い物袋を床に置くとノートを受け取り目を通した。

 ラストバトル、
 主人公パーティーはラスボスの体に取り込まれたレイを助ける為に戦う、
 第一段階では普通に戦うがRPGお馴染みのラスボスが変形して第二回戦目、暴走したガヴィアロスがここでヴァン以外のキャラクターが戦闘不能に陥る、
 怒りの力で覚醒したヴァンはガヴィアロスと一騎打ちになる(イベント戦闘みたいな物だが)ガヴィアロスを倒した後、ヴァンは力尽きて死んでしまうと言う事にする、
 そこでレイが悲しみで秘められた力が完全に目覚めて時空を修正して全てを無かった事にしてしまうと言うエンディングにする。
「要するに、時間枠を最初に戻すって事?」
「ああ、戦いが無い世界に作り変えて平和で幸せだった日に戻るんだ」
「確かに普通のハッピーエンドにするよりも良いわね。凄いじゃない」
 香奈はОK、あとはつかさちゃんだけだ。
「あ、つかさちゃん? 今からファックスするよ」
 携帯で知らせるとオレはつかさちゃんの家にファックスを入れる、