キャッチボール
二人でボールを投げ合う。
受け止める度にパァンと乾いた音が公園に響く。
「なぁ隆二」
「どした?」
「お前、今楽しいか?」
「あったり前だろ! 佑真、野球は楽しいに決まってるだろ」
「そうか」
良かった。俺も今、楽しめているんだ。
「ね~ね~りゅーじくん」
「あっ、ゆーまくん! どうしたの?」
「はいこれ」
「なにこれ~?」
「おとーさんのグローブだよ」
「こうやってはめてボールをとるんだ!」
「へ~」
「すっごくおもしろいよ! りゅーじくんいっしょにやろうよ」
「うん! やる!」
幼い二人は無邪気に駆け出して行った。