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カムイ

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 パカッパカッパカッ、ヒヒーンブルルルルッ、
 馬に跨った、見覚えのある3人の男たちが、土を掘り起こしているカムイの前で立ち止まった。昨年、札幌の町はずれで出会った男たちだ。
「黒い煙が立ってるのを見たもんでな」
「ほゥオ、いい土地だ。あの森の入り口あたりに小屋を作らせてもらうぜ」
「勝手にしな。ここは、アイヌの土地だ」
 カムイはそのまま作業を続けた。
「フッ、気にならんのか? ワシらはオメェが、金の隠し場所に行くのを見張らせてもらう。まぁ、近々必要になるだろうからな」
「・・・なぜそう言う」
「フフン、今に分かるさ、ハハハハ」
 初老の男が頭を森の方向へ振ると、馬首をそちらに向けた。

 菜葉はよく育った。良い土をしているのに誰も開墾しなかったのはなぜだろう、と素朴な疑問が頭をよぎった。初老の男が言った言葉も気になる。
 その頃、新政府はアイヌ同化策を取り、アイヌの土地を無住の地として官有地とし、和人に次々と、安い価格で払い下げていたのである。
作品名:カムイ 作家名:健忘真実