わて犯人
第十七話 ダンシングウクライナフィーバー
「おっ!なんとなくウクライナに向かったつもりだったが、この地図によるとここにフジモトムのアジトがあるみたいだ。」
「さすがマインさんですね!」
「まあな。」
「地図によるとこのあたりのはずなんだが…」
「ビルが立っていますね。『株式会社アジモトム』か。」
「食品会社のように見えるが、地下に研究所があってそこでフジモトムは違法ラーメンの研究を行っているらしい。」
横から説明を入れたジョンの顔は、トムには少し険しいものに見えた。
「なるほど、このビルはカモフラージュってわけか。よく考えてやがる。」
「よし、突入するぞ!」
ビルの入口付近まできたとき、トム達の前に人影が現れた。
「お待ちしておりました。皆さん。」
「あ、あなたは…熊左衛門さん!!」
そこにいたのは熊子の父、熊左衛門だった。
「フジモトム様から聞きましたよ…あなた方が熊子を殺したそうですね。」
「ええ!?何を言ってるんですか!殺したのはフジモトムですよ!!」
「嘘はやめてください!!」
言葉こそ丁寧だったが、熊左衛門は激昂していた。
「熊子はね、私の大事な一人娘だったんだ!妻が亡くなってから私があの子を一人で大切に育ててきた!それをっ!それをあなたたちは!!!」
「おい落ち着けよ熊左衛門。お前は騙されてるんだ。」
「黙れッ!!私は、フジモトム様に力を頂いた!あなた方に復讐するための力をね!熊子が味わった苦しみを何倍にもして返して差し上げますよ!!!
…ハァアアアアアアアアアアア!!!!!」
「な、なんだあれは!奴の体が巨大化していくぞ!」
「あれが…違法ラーメンの力だ…。違法ラーメンを食べた者は恐るべき力を手に入れる。だが、理性を失うだけでなく、体にも大きな負担がかかるため食べたものは例外なく数日で死にいたるらしい。呪われた殺戮兵器だ。」
「グルルルルル…!グガァアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
「トム危ない!襲って来るぞ!!」
熊左衛門の巨大で鋭利な爪がトムへと向けられていた。
「任せて下さい!コパ・ムソンバリヤー!!」
コパ・ムソンは死んだ。
「危なかった…もう少しでやられていた…」
「ナイスだトム。これが一石二鳥ってやつだな。しかしどうする。次の攻撃が来るぞ。」
「こうなったら…あれをやるしかないですねぇ。」
そう言うとトムは突然セーラー服に着替えだした。
「おっ?例のあれやっちゃう?おお?あの必殺のあれやるのか?んん?」
マインはノリノリだった。マインはあれが大好きだった。
「あれか…理解した。」
ジョンとマインはアイコンタクトをとると、パンツを脱いで開脚前転を始めた。
「グギャァアアアアアアアア!!!」
熊左衛門の次の攻撃が、トム達の目の前まで迫っていた。
「やるなら今しかありません!行きますよ!!!」
「ああ!」
「ノープロブレム。」