舞台裏の仲間たち 13~15
背後へ、いつの間にか忍び寄ってきた茜が
私の耳元でささやきます。
「ねぇ誰なの?碌山って・・・」
「ロダンに弟子入りしたこともある彫刻家で、
明治を代表する芸術家の一人だよ。
日本の近代彫刻の父とも呼ばれている人物で、
”おんな”は、碌山の最大傑作とも呼ばれている作品だ。」
「ふう~ん、石川君って、
以外に物知りなんだ。
ロダンってさぁ、あの考える人のロダン?」
「うん、そうだよ。
でも良く知られているロダンの考える人も、
実は、単体の作品じゃないんだよ。
代表作に『地獄の門』という大作が有って、
その一部を抜き出して、地獄を見つめる男をピックアップしたものが、
その『考える人』なんだ。
ロダンは長い職人歴を持っていて、近代彫刻界に大きな影響を残した、
19世紀を代表する、偉大な彫刻家だ。」
「博識だなぁ・・・
ねぇ、これって本物の彫刻作品があるの?
なんだか、やりきれないほどの情念みたいなものを
さっきから感じるているんだけど・・・」
作品名:舞台裏の仲間たち 13~15 作家名:落合順平