こりゃ・・・恋!?
「そっちこそひとり?」
「まあね。でも待ち合わせ。残念ながら女の子だけどね」
「そっか」
「ねえ、あいつって彼女できた?」
サトルは、ユリが友人と別れた理由は知らなかったが、ユリが振られたことは知っていた。
「いや、たぶん居ない。まだ、あれ……?」
「いいよ、気を遣わなくたって。別れた理由聞いた?」
「いや」
「そっか。まあ言えないよね。私がサトル君のこと好きだって思い込んじゃってさ」
「え?そうなの?」
サトルは、思わぬ告白にユリから離れた。
「もういいの。で、今日はどうしたの?ってこんなとこ来るのは、誰かにプレゼント?」
「・・・・・」
「相変わらず、わかり易いね。サトル君。選んであげようか?」
「ほんと!」
「いいよ。どんな感じの子?」
友人の彼女とはいえ、ユリは、誰にでも優しく気を遣う子だった。
だから、サトルもそんなユリとは、気負わず話ができた。
カオリのことも ユリには自然に話していられた。
「あ、その店知ってるよ。今度一緒に行こうか?」
「おいおい」
「嘘に決まってるじゃない。サトル君、マジ焦っちゃって (笑)」
「あ、でもいいよ。行こうか。あいつも誘って」
「いいよ。私、振られたんだし……いまさら」
「あいつさぁ、まだ彼女いないの、ユリのこと待ってるのかもな。飲んだとき、ぽろっとな」
「ねえ、サトル君は、私のこと誘わないの?」
「ユリはユリ!彼女じゃないっし、ならないし」
「わっ早!即決」
「その気もないのに 聞くな!」
サトルは、笑顔を見せるユリが、少し可愛く思えた。