こりゃ・・・恋!?
「あ、ごめんごめん。何にしますか?」
「えっと『今日のぶっかけ丼』をお願いします」
「飲み物は?」
「ほうじ茶で」
「ホット?アイス?どちらで」
「では、アイスで」
「はい。んじゃあ、考えておいてね。あくまで参考だから」
少しして、カオリが、出来上がった『今日のぶっかけ丼』と『冷ほうじ茶』を運んできた。
そのトレイの横に陶器のボウルに入った料理がもう一品。
それもテーブルに置いた。
「ご相席お願いしても宜しいですか?」
「あ、あ はい」
微笑んだカオリがエプロンを外してサトルの前の席に座った。
「私も、お昼休憩なの。これ、まかない飯」
「そっか。一緒に食べれて嬉しいよ。いただきます」
「いただきます」
サトルは『今日のぶっかけ丼』とカオリとの時間を楽しんだ。
「ごちそうさま。さて、戻るね。頑張るぞー」
カオリは、弾んだ声で席を立った。
「ごちそうさま。おじさんたち、気を遣ってくれたんだね」
カオリが微笑んで頷く。サトルは、胸までいっぱいになったようだ。
「サトル君は、どうするの?これから大学?」
「まあね。一応学生だから……じゃあ行くよ」
サトルは、会計を済ませる。
「どう?考えた?」
女は少し顔を近づけ、興味深く尋ねた。
「あ、今は浮かびませんでした。宿題ということで」
「なんだ。せっかく一緒にと時間作ったのに、見惚れてただけか、まったくー。じゃあ宿題ね」
「すみません。じゃあ、ご馳走さま。旨かったです」
サトルは、ぺこりと頭を下げて店を出た。