こりゃ・・・恋!?
メニューを広げ、カオリのほうへと少し乗り出した。
「ここの食事も美味しいと思うけど、この『今週のお試しサイズメニュー』ってのがいいんだ」
「そうなの?」
「見たらきっと気に入るよ」
ふたりは、それぞれに食事を頼むと、食後に『今週のお試しサイズメニュー』を頼むことにした。
「わあ、可愛い。そのまんまのミニチュアね。グラスもストローも……うんこれ美味しい」
「喜んで貰えて来た甲斐があったなー。僕さ、メニュー(見てもなかなか決められなくて。というか)わかんないの多いじゃない。だから(今はコレってもの決めて)ちょっと拘ってみようかなって」
「そうなんだ。いつもオーレばかりだなーって思ってた」
(え?知っててくれたんだ)
サトルは、上機嫌のまま、カオリとの時間を過ごした。
(あいつらには、まだ黙っておこう)
別れ際、電話番号も交換できた。
「また、誘ってもいい?これからも付き合って欲しいな。どお?」
「彼女として?」
「うん。友だち以上の彼女がいい。付き合って……くれ……る?」
最後まで言い切る前にカオリは、頷いた。
(やった!)
にやける顔をどう繕ったらいいのかわからず、少しそっぽ向いてサトルは通りの先を眺めた。
「じゃあ私、帰るね。バイバイ。またメールする」
そう言ってカオリは、駅の構内へと入って行った。
(あ、なんで送るよって言えなかったんだ。いい雰囲気でキスぐらい……いやまだ早いか。ま、今度の目標か)
サトルは、帰路を運転しながら、にたにたとする自分を抑え切れなかった。