こりゃ・・・恋!?
三日後の金曜日の夕方、待っていたメールが届いた。
初めてみるアドレスに、ドキドキした。
すぐに開くのが勿体無いような気持ちとは裏腹……指は素直にボタンを押した。
>>届いたのかな?
サトルは、すぐに返信した。
>>届いた。明日予定ある?
>>いいえ。バイトも休みです
>>明日十時、M駅前時計で待ってて サトル
>>はい。カオリ
(カオリっていうんだ)
もうサトルの頭の中では、明日のストーリーが書き始まっていた。
翌日、サトルは車で待ち合わせの場所へと出かけた。
夏の終わりとはいえ、まだ陽射しは暑かった。
僅かな挨拶を交わすと助手席に乗せ、走り出した。
女の子、カオリの肌が触れそうな横にある。
サトルは、少し街中を車で走り、初めてのデートに行こうと決めていたあの店に向かった。
『車休め処』に車を停めた。
「ここ?」
「うん。僕の気に入ってる店なんだ。中に入るとまたいい雰囲気なんだよ」
「ふーん。私のバイト先よりも?」
「あ、また行くけどね」
「ごめんね。意地悪だった?」
サトルは、小路を入ってドアを開け、カオリを促した。
「いらっしゃいませ。おかえりなさい。あ!」
「ただいま。おじさん、お姉さん」
「おかえりなさい。今日のお友だちは初めてね。どうぞ」
「面白いだろ。何となくアットホームで」
男は、何か言いたげな顔つきを見せたが、女は小刻みに顔を揺らしダメダメと男を止めた。