密室の中
犯人
「何ですって?」
何回目かの事情聴取のときのことだった。三郎達は、有力な情報を得ることが出来た。
「そ、それじゃあ神田光さんは、高野さんから、ネチネチ言い寄られてたんですか」
「はい…あんまりしつこいので、殺意も…もしかしたら芽生えるかも……」
「有力な情報ですね」
「はい。犯人は神田光で間違いないでしょう」
「あとは密室なんですがね……」
「もう密室は破れています」
「えっ、ホントに?」
「高野さんの家に神田さんを呼び出して下さい」
「ふーん、高野さんの家って、マンションなんだぁ……」
高野の家に呼び出された神田光は、そう呟いた。
今の時刻は、十七時三十分。真夏なので未だ明るい時間帯である。
「お待たせしました――……それでは早速、謎解きの方に移りましょうか」
そう言って、三郎は微笑した。