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超短編小説  108物語集(継続中)

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 1週間が経過した。
 頭蓋骨の歯形から仏さんは竹藪近くの住宅に息子夫婦と同居していた坂巻雄三(さかまきゆうぞう)氏、83歳であると判明した。
 されども行方不明届けが出ていない。
 百目鬼と芹川は早速息子を訪ね、どんな事情があるのかと問い質した。
 しかれども返答は……。
「オヤジはちょっとボケが来てまして、最近山裾にある延命老人ホームでお世話になってます。1週間に一度はお泊まり帰宅しますから。要は、今も生きてますよ」

 これは意外。
 そのため刑事二人はそのホームへと直行する。
 するとホーム長は涼しい顔で「坂巻雄三さんですね、あそこで皆さんとお遊戯されてる方です、お呼びしましょう」と答え、立ち上がった。
 しばらくして老人が連れて来られ、芹凛刑事が「おじいちゃん、お名前を教えてください」と早速声を掛ける。
 すると老人は眼光鋭くし、「私は坂巻雄三であります」と明確に答えた。

 一体これはどういう事なのだろうか?
 すっきりしない百目鬼と芹凜、すぐに坂巻の自宅付近に戻り、聞き込みを行った。
 その結果、「坂巻さんちのおじいちゃんですね、長年会社勤めをされてたとか。その晩年はのんびりさせてやりたいとかで、1年ほど前に息子さん夫婦と一緒に引っ越して来られましたわ。今はホームから時々戻って来られますが……、そのおじいちゃんの事ですよね」と。