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超短編小説  108物語集(継続中)

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 かくして湖底トレジャーハンティングはスタートした。
 具体的には毎週日曜日、中型ボートで湖上へと繰り出し、水中ドローンを使っての湖底ローラー作戦。
 しかし夏は猛暑、冬は極寒、波の高い日は沈没の危険。こんな自然環境の中でただただモニターを見続ける過酷な作業だった。
 1年が過ぎ、夢もロマンも消え、とどのつまり二人だけのチームとなった。
 それでも蒼斗は、湖底に空飛ぶ円盤が横たわってるぞと親指を立ててくれた七津星教授の言葉を信じ、頑張るしかない。

 季節は秋、湖に碧い空が覆い被さり、その光たちが湖面に突き刺さる。そのせいか、とてつもなく水が澄んだ日があった。
 視界良好だ。

 今日の漁場は?
 1917年、竹生島(ちくぶしま)から北へ2kmの水深70mから土器が発見された。そこに葛籠(つづら)尾崎湖底遺跡があった、とかの謎が今も解けてない。
 ならばこのミステリーの続きで、竹生島から南西5kmの最深部100mの辺りを探ることとした。
 二人作業だが順調に進んだ。
 そして遂に発見したのだ、自然物でない何かを。そこで高頭脳水中ロボットを潜らせた。

 結果、物体は90%を湖底に埋没させているが、解析により径60m、長さ100mと巨大、形状は卵形。
 表面成分はセラミックと金属、多分チタン系であろう乳白色融合物、二人はこのような物質を見たことがない。
 驚愕仰天だ。
 湖で頭を冷やした後、蒼斗が「これって、空飛ぶ卵ですか?」と訊く。
「いや、宇宙大翼竜の卵かもな」と七津星隊長も混乱している。あとは唾をしきりに飲み込み、「これは二人の秘密にしておこう、こんなの発表したら世の中大パニックになるぞ」と。
 蒼斗は深く頷くしかなかったのだ。