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超短編小説  108物語集(継続中)

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 五月初旬、雑木の勢いはすでに強く、奥地へのアタックは並大抵なことではありません。されども浩二は手慣れたもの、ナタ一本で道を切り開き、前進に前進。私はただ付いて行くだけ。

 そして2時間後、いかにも大岩魚が潜んでそうな渓流へと出ました。
 私は浩二の頑張りに気を遣い、「一休みしないか」と声を掛けました。
 だが浩二は「あっそこ」と震える指で差します。そこへと焦点を合わせますと…、ビ・ツ・ク・リ!

 50センチ位の半透明の球体がふんわかふんわかと浮遊しているではありませんか。
 私には目眩が。されどさすが元リーダー、即座に驚愕から蘇生し、「腹減ったよな、あれ食えるかも」と食欲モロ出し状態に。
 あとはまるで狼の如くひょいと岩へとジャンプし、突進。
 その瞬間でした、気配を感じた球体が一斉にパッチンパッチンと弾けたのです。

 されど真にド肝を抜かれたのはこの後でした。ちっちゃな人のような生物が出現したのです。
 浩二の目は点に、私の心臓は止まりかけました。
 そんな人生最大の唖然呆然の間にヤツらは素早く山奥へと消えて行きました。
 数分後やっと動揺が収まり、「お〜い、弾けて、ヤツは、どこ行った」と声を上げ、追い掛けました。そして遭遇したのです。

 山中に野原があり、結論から申し上げますと、メタリックに輝く空飛ぶ円盤がそこに鎮座してたのです。
 こんな展開になると反対に肝が据わりますよね。浩二が進み出て、「食べはしません」と宣言すると、機長が現れました。
「我々は弾け人、知能が今一つの人間を調べに来た」と自己紹介してくれました。あとは、これも多生の縁と機内へと招かれ、飲めや歌えの大親睦会でした。