超短編小説 108物語集(継続中)
翌日居酒屋で、貧乏独身ながら逞しく生き延びてきたことに、まずはカンパ〜イ!
そして近況報告をし、唐揚げが出て来たところで、私は本題「狙ってる未確認生物は?」と切り込みました。
すると浩二は「後輩のダサオを覚えてるだろ」と。
その逸らされた流れで「もちろん」と返すと、浩二は一番大きな唐揚げを摘まみ上げ、「この間バッタリ逢ってね、ヤツ、垢抜けしてたんだよなあ」と。
それよりその唐揚げ私のだと睨み付けると、浩二は「何があったんだとダサオに訊くと、どや顔で、『弾けて、ヤツは、どこ行った』のお陰ですってね」と真顔で続けました。
私は飲み込めません、「弾けて、なんじゃらって?」と問うと、浩二は「未確認生物だよ。どうも権太山にいるらしいぞ。だからこれ、お前にやるよ」と私の皿に唐揚げを落としてくれました。
私はここで読めました。
「この1個の唐揚げと俺の休暇と引き換えってことだな、しゃあねえなあ、ダサオを垢抜けさせたという生物『弾けて、ヤツは、どこ行った』の探索に付き合ってやるよ」と渋々の表情で了解しました。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊