超短編小説 108物語集(継続中)
ところがその日は年1のエレベーター点検日、2階の会議室へは階段で下りるしかない。
しかし銀豹魔子さまがなぜか階段の前で固まってしまった。
「遅れますよ」と航平は上司の手を引っ張って階段を一段下りた。するととんでもないことが…、銀豹魔子さまがゴロンゴロンと転げ落ちて行った。
結果、踊り場で仰向けに。
航平は三段跳びで近付き確認すると、息をしていない。えっと仰天しながらも脈を取ると――、ない。
ああああ、俺の上司が死んじゃった!!
オフィスは大騒ぎ、もちろん救急車も警察も駆け付けてきた。
本件は事故? それとも殺人事件?
航平はパワハラ上司を憎んでいた、という同僚の証言があり、別室に呼ばれて事情聴取。深海航平なる潜水艦はより深い海底へと、結果沈没。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊