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超短編小説  108物語集(継続中)

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 この報道から1週間が経過した。
 本事件担当の百目鬼(どうめき)刑事、デスクから外をボーと眺めている。
 そこへ部下の芹凛(せりりん)こと芹川凛子刑事がそっと近付き、張りのない声でボソボソと。
「犯人逮捕は時間の問題、とんでもない難事件ですよね。凶器は未だ見つかってませんし、住人全員を尋問しましたが、容疑者らしき者は見当たらない。怪しい者の出入りもずっとありません。私たちの捜査が生ぬるいんでしょうか」
 これに百目鬼は「多分な、まだ核心に触れてないかもなあ」と重い。

 しかしここで一転、カッと目を見開き、「解決のためにキーとなる疑問は何か、それを芹凛の感性で3つ抽出してくれ」と指示を飛ばす。
 私の感性でって、芹凛は信頼されているのだと感じ、どことなく嬉しい。そこで軽快に「イエッサー」と返し、熟慮するのに都合が良い薄暗い資料室へとそそくさと入って行ったのだった。