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超短編小説  108物語集(継続中)

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 三日の時が流れた。百目鬼が聞き込みから戻ると芹凛が天井を見上げてる。
「おい、お前の言う写真投稿から目星は付いたのか?」
 百目鬼が訊くと、芹凛は赤く腫らした目で、「殺害された夫人はhappysachikoと名乗っていて、毎月一日に、多分好きだったのでしょうね、あの公園のフェンスの隙間から御来光を撮って載せてるのですが…」と、もう一つ進展がなさそうだ。

「ほー、いい趣味じゃないか、それが未明に公園に行った理由なんだな。それで?」
 百目鬼が突っ込むと、「それが、あとはダンナとの仲睦まじい写真ばかりで、フォロワー数が千を超える人気者ですが、犯人に繋がるような写真はまだ見付かってません」と芹凛が唇を噛み締める。

 ここは上司の出番、「ちょっと写真を見せてみろよ」と百目鬼は要求し、さあっとチェックしてみる。そして突拍子もない質問を投げ付ける。
「3:6:1の法則って知ってるか?」

 芹凛はこれにキョトン。この反応を確認した百目鬼、あとは先輩らしくオヤジの講釈を。
「こんな幸せそうな写真ばっかり見せ付けられたら堪ったものじゃないよな。だから素晴らしいと思うヤツが3、どうでもいいねが6、こん畜生、殺してやりたいと思うヤツが1、いわゆる3:6:1の割合でいるってことだよ」
 これに「そうなんだ」と漏らした芹凛に、「お前、ホントに刑事なのか」と今度は百目鬼がポカンと口を開けてしまう。