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超短編小説  108物語集(継続中)

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 こんな世間の騒ぎと興味に呼応するかのように、百目鬼刑事と部下の芹凛(せりりん)こと芹川凛子刑事は急ぎ現場へと入った。

 つまるところスマホだけが被害者のそばに転がっていただけだ。他に犯人に繋がる手掛かりは何もない。そのためかいつになく百目鬼刑事が「うーん、すべては藪の中だな」と手応えなく吐く。しかれども芹凛にはピーンと来るものがあった。
「これはきっと写真投稿のSNS絡みだわ」
 第六感だけの芹凛の言葉に、「何じゃ、それ?」と百目鬼が顔を覗き込む。というのも百目鬼は未だガラパゴス・ケータイを愛用し、ラインやインスタなどに馴染みがない。要はちんぷんかんぷんなのだ。

 だが、このコンビはうまく組み合わさってる。百目鬼の古典的な知識や思考を部下が充分補完してくれるのだ。
「今流行ってますよ。だから、このスマホの中に、犯人に繋がる手掛かりがありそうだわ」

 芹凛の目がキラリと光る。百目鬼は、まだ若いが、この女鬼の勘に一目置いている。
「よっしゃ、そのSNSをとことん調べてみてくれ」
 百目鬼は現場でこう指示し、そそくさと署へと引き上げたのだった。