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超短編小説  108物語集(継続中)

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 学生時代は未確認生物発見同好会のリーダー、そして今も活動継続中、そんな浩二がここ一年行方不明でした。またパンダ猫でも探しに放浪してんだろうと放っておいたわけですが、それがつい二週間前のことです。最北端の辺戸岬の絵はがきを突然送り付けてきたのです。
 おっ、生きてたか、と一応安堵したわけですが、あとは「なんじゃ、これ?」と。

 というのも、文面が――鯛焼き、どーんと買って来てくれ、ですよ。ふざけんなとハガキを破り掛けましたが、青い海か、たまには旅にでもと出掛けてきた次第です。

 それにしても沖縄に鯛焼きって、うーん、不可解。この謎は解かれぬままオンボロ車で北へとドライブ。そして連れて行かれた地がヤンバルクイナの森でした。

 鬱蒼とした亜熱帯ジャングル、細い道、いや、獣道が薄暗い奥へと続います。だけど浩二は慣れたもの、とっとと前進につぐ前進。
 私は頭に来て、背中に不満を投げ付けてやりました、「こんな地道じゃ、コロコロが役に立たんぜ。快適リゾートに案内しろよ」と。だけど彼は振り返らず、宣ったのです、「直樹、キジムナーに会いたいだろ」と。