超短編小説 108物語集(継続中)
この山は一服山(いっぷくやま)と呼ばれ、秋の一時、全国各地からやって来た化け物たちで大賑わいとなる。なぜなら山姥、ホッチョバアの主催で妖怪祭りが執り行われるからだ。
とにかく年に一度の祭り、魑魅魍魎につつがなく楽しんでもらわなければならない。
さもなくば不機嫌となり、人間に八つ当たりすることとなる。つまり各地で災いがてんこ盛りとなるのだ。
この事態を避けるため中腹に、人間界からの世話役、魔寿屋(ますや)が屋敷を構えてる。当然中立を保つため、人間界とのお付き合いは遠慮がち。巷の噂によれば、透き通る肌を持つ三人のお嬢がいるとか、いないとか、てな具合だ。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊