超短編小説 108物語集(継続中)
振り返れば、俺の同期なんツーのは、定番捨てゼリフ、「こんな糞会社、監理ポスト入りになっちまえ!」と吐いて、晩々と辞めて行ってしまったぜ。
結果、我慢の残留組は俺以外に二人だけ。
「ホッホー、立派でごじゃりまする!」と相手を持ち上げて、あとはドンと地獄に突き落とす――褒め殺しのホツホー穴兄(あなにい)と、事ある毎に、「アンタ、***タデショ」と相手を縮み上がらせるタデショ姉さんだけ。
おっと、補足させてもらいます。姉さんの「***」には、触っ/嘘吐い/誤魔化し、等々の恐怖ワードが好きに当てはめられちゃいます。
こんなお二人さんは、戦場、そう、罠々バトルフィールドの戦友ってところかな。
で、拙者の武器は、What ?
うーん、これが、ないんざんす。
それでも強いて言えば、攻め技ではなく、実にM的に、どんな罠にでも「へへへ」と笑い、一旦は生真面目に嵌まってやるという――どうでもなれ力、てなところかな。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊