超短編小説 108物語集(継続中)
そんな一例が、ここに…。
俺は仲間からの暖か過ぎるサポートを得て、スイスイと仕事してたんだよ。そしたらある日、あいつは暇ですよと上司にチクられて、いきなり3倍増しの仕事が回ってきやがったぜ。これに、ちょっと手伝ってくれよとメンバーに頼むと、手の平返したようにみんな知らんぷり。要は作戦通りちゅうやつだろう。
それでもこん畜生と頑張ってはみたが、やっぱり出来映えは劣悪。これによりボーナス査定はD評価。とどのつまりが雀の涙。
こんな俺に、チョーカワイソーと生中一杯だけ奢ってくれて、「次回も、みんなのボーナス原資確保のため、D評価に耐えてくれ」と迫られた。
「俺はお前らの米の粒かい? アホにすな!」と拳を上げてみても、「じゃ、お先に」と疾風のごとく消えて去って行きやがったの。
職場にはこんな不幸物語がゴロゴロ転がっている。
だけど、こんな文句鱈々の会社だが、俺はグンニャリとよじれながらも律儀に働いてきたんだぜ。
で、今じゃ一端の中堅…どころジョージだよ。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊